なぞる

昔、職場のグループ朝礼で
「憧れ」について話をしたことがあります。

僕には憧れの人がたくさんいるから
当たり前でしょ、という顔をして
憧れの話をしていたら、
「憧れなんて考えたことがない」
「憧れの人なんていない」
というリアクションをうけて
びっくりしました。

嘘つけ!自分の行動は何等かに
誰かに影響されてるはずでしょ!
思い出して!と言ったけれど
う~ん、、と悩んでいました。

お仕事でもよく、
どんな商品をつくりたい、
どんなお店にしたい、
というお話をしますが、
ここでも、憧れが出てこない人が
本当に多くてびっくりしています。

主観がない人って、
まわりが見えない人なのかも?
って思うくらい、
憧れのない人たちから、
あーしたい、こうしたいを
あまり聞かないようにも思います。

憧れ持った方がいいよ。
生きるの楽だよ。
迷った時も言い訳できるよ。
毎日が楽しくなるよ。
と、30代の僕は叫んでいたら、
いつの間にかまわりには
憧れを通り越して
「推し活」と呼ばれるブームが来ていて
憧れを身近にするために
行動力半端ない人たちを
たくさん見るようになりました。

「聖地巡礼」とか「コスプレ」とか
憧れの人に、憧れの世界観に「なりきる」ために
なぞる行為がすごく素敵に思えたし、
僕はただ憧れてばっかりで
なぞれていないなーって40代になって
落ち込むことも多くなりました。

憧れにお近づきになりたければ
なぞるのが一番!
小さいころデッサンを数年やっていたので
なぞるのは得意です。

憧れの人を憧れてばかりでなくて
ひたすらなぞってみる。

全然お近づきになれないじゃないか
と挫折して、しばらく距離を置いてから
またなぞってみる。

そんなことを40代になって
繰り返していたら、
ちょっとずつお近づきになれている
感じをいろんなところで
感じるようになりました。

というのも、今年に入って
まだ20日ちょっとですが、
懐かしい友人や、まわりの人から
お声がけしていただけることが続いています。

有難いことですし、うれしいですが、
ここで調子に乗らず、
まだまだ憧れの人には到底届かないので
なぞるブームをもっと活発にしたいと思います。

今日も来てくれてありがとうございます。憧れは憧れのままにしていちゃもったいない。そして、その反対はつまらない。なぞる行為の中から自分のやりたいこととかが見えてくるのかもと、編集アシスタントとしてデザインのオペレーターをやっていたころに先輩に言われたことを思い出しました。

24/01/23