詰めと余白

記念すべき社会人デビューが
エディトリアルデザインの会社だった僕にとって
文字詰めはデザインをするうえで
大切なポイントです。

詰めて見せる時もあれば
余白をつくって見せる時もあります。

最近はデザインをする場所がwebになったから
あまり詰めることがなくなったなぁ。

文字間隔の調整とは別に、
僕は余白大好き人間で
詰めるのが苦手でした。

「ふわっとした」と言われることが何度もあります。
自分だけでやるときは感覚的だったものを
手伝ってくれる人たちに
ふわっとさせずに伝えることは
けっこう苦痛でした。

誰かに指示書をもらって
今の僕になったわけでなく、
先輩方の背中をみながら自分で考えてきたからだ、
と三十代前半のころの僕はそう思っていたのですが、
となりにいる嫁ハンを見ていると、今の僕は
僕の周りの人のサポートによって
できていることを教えてくれます。

とくに家事や育児は
ふわっとしていてはまわりませんから。
嫁ハンには相当迷惑をかけているんだと
僕はこのおはよう学級を描き続けながら
学びました。

お仕事は基本的には詰めるものだと思います。
発注から納品まで、各工程がふわっとしていたら
大変なことになります。

なので、家庭でもお仕事でも
詰めを意識するようになった僕は
以前よりずいぶんと視点が変わりました

「何も決まってないけれど、
すごいものを作りたい」
というふわっとした依頼を
カタチにするのがお仕事だなと
最近すごく思います。

作るのはもはや機械の処理や
アウトソースでもよくて
ふわっとしたものから指示書をつくること、
その中で余白の領域も残しておくこと、
これからの時代の大切なスキルだなと
痛感しながら今日も指示書をつくっています。

じじいになってくると
自分一人で何もできなくなってくるし、
というか、もともと自分一人じゃ
何もできなかったのだから、
もっと詰め上手になりたいです。

今日も来てくれてありがとうございます。作れないと指示できないから、たまにはつくらないと。ものづくりも頑張ります。

19/12/08