~聞く力~

 

拝啓 ポールマッカートニー

   あなたったらいけずなのね。
   あなたも大して変わりはしない。
   そんな気持ちであなたを見ていたい。
   それでもあたなはまた伝説をつくってくれたのね。

どんな言葉も耳に入らないくらい、
ついていないとしか言いようのない
友人二人が我が家にやってきた土曜日。

100年に1回、
それ以上かもしれない確率のことが目の前で起きたとき、
それを受け入れて前に進むことって
そんなに容易でないのだと察します。

糸井重里さんは
「残念ながら人は忘れる生き物」だと仰っていましたが、
僕はそうは思わない。

100年に1回のそれに直面した人は
忘れるなんてことはできないんだと僕は思うんです。

それでも、それを受け入れて前に進もうとする
その姿に触れることは、
こちらも貴重な体験だと思うんです。

そういう意味で、
ポールマッカートニーのライブが中止になった
昨晩は「聞く力」が身についた
お通夜のようだったなぁ。

ただただ聞くということが、
その人の視界を少しでも晴らすことができる。

東日本大震災を受けて
糸井重里さんとの対談のあとに決意して書いたたという
阿川佐和子さんの「聞く力」。

「聞く」ことの大切さ、可能性を
冒頭だけで感じることができました。

相づちの極意だったり、
オウム返し質問の活用法であったり、
TVに雑誌に各メディアでの対談をもとにした
阿川さん流の聞き方が綴られていて
それだけでも十分楽しめるものでした。

今回の心躍るヒット賞は

「話しやすい聞き方」

でした。

メディアメディアと、発信することは重要だといっていますが、
ちょっとまて。

聞く人がいなくては何も始まらないでないか。

逆にあなたが発信できるのも
聞く人たちがあってこそではないか。

話す前に聞くこと。

物売りの世界でも消費者の時代がきたように、
政治でも有権者の時代が来そうな実感があるように
「聞く力」がベストセラーになったように
今、求められているのは
きちんと話を聞ける人なんだなぁ
と感じることができた本でした。

   君の前ではもっと話したい

そんな風に思ってもらえる人間に、
親に、
旦那になりたいなぁ。

いやぁ、
いや~本って、ホントっ出会いですね~。

(続きます)

14/05/19