一途

あやこは一途なのだ。

結婚する前にそんな話を
当時よくつるんでいた
あやこの友達と話したことがある。

そのときも納得したし、
今も頷ける。

まわりに何と言われても
構わないくらいの
強烈な一途なのだ。

僕はそうではないので、
「一途」は憧れの一面なのだ。

大人になると、大人になることを理由に
一途になれないと言う。

僕もそうなのだけれど、
それは、どこかで悔しいと思うのだ。

あやこがとても慕っている
あやこの友達が
最近出産をした。

自宅で出産するということで、
何より大好きな友達ということで、
あやこはその出産に立ち会った。

他のことを全部すっとこばして
自分ごとのように喜んだ。

つねりたくなるくらいの行動だ。

その友達が今日、誕生日だということで、
「ケーキを買ってきて」という
あやこからのお願いごとをうけた。

「お願いがあるんだけど」
一途な人に言われると
実にうれしい言葉だ。

僕は職場の近くにあるケーキ屋で
ケーキを買ってきた。

インターネットやSNSが発達する
こんな時代だからなおさら、
一途は浮いて見えるのかもしれない。

けど、一途なあやこを応援したいし、
そんなあやこに僕は
影響を受けているのだ。

今日も来てくれてありがとうございます。まわりの大多数が反対ということを、自分の信念に一途になってやり通してみる。僕はまだ道半ばでございます。

16/11/17