おい、お前!そこの!
新潟から上京してきた奴!
東京から何度も新潟に遊びにきて、
心のふるさとみたいに思ってる奴!
いろんなとこに仕事で出かけて、
もう日本はほとんど知ってる顔してる奴!
新潟の人間も、東京の人間も、
誰もが口を揃えて僕に言ったよ。
「三国峠を越えるのか」
てね!
だから俺は、
今回の旅の最大の難所、
最大の壁は三国峠としぼってペダルを踏んだんだよ。
あ、ごあいさつが遅れてしまった。
おはようございます。
ヤッホーサイクリングです。
初日、所々ローソンで休憩するたびにFBでつぶやいたことに
平日にも関わらずいろんな方が反応してくれて、
トラブルに巻き込まれること無く群馬県、
猿ケ京温泉にたどり着きました。
約170Km、走行時間11時間。
深谷辺りを超えてから、
5kmごとに水を買っていたので
水分補給だけで2~3000円は使っていました。
こりゃ新幹線使うよ。
だって安くて早くて安心だもん。
クラシアンシンクラシアンですよ。
でもいろんな人のやさしさ、
これはプライスレスでしたね。
宿のおばちゃんが出してくれた夕食の残りの天ぷらと茄子漬け。
ビールも冷えてて旨かった。
そしてそのおばちゃんも言ったんですよ。
「三国峠を越えるのか」
二日目、
ここが自分の越える壁と断固たる決意を秘めて、
僕は登坂を始めました。
すると最初のカーブに出てきた一つの看板。
『1/55』と書いてある。
去年、大泣きをした箱根登坂。
あのときの辛さはなんといっても
いつまで続くか分からないカーブにありました。
超えども超えども、また同じようなカーブが出てくる。
書いていても気分が悪くなるあの永遠のような坂道。
確かに坂道はきついですが
この『○/55』が
あるとないとでは全然違う!
あといくつ、あといくつ、
ちょっと頭をさげて見過ごしたりしたらさあ大変。
一気に2~3個縮まって、
結局、あらっと言う間に登りきってしまいました。
そこからは苗場、石内、南魚沼、六日町まで
ずーっと下り坂。
朝のひんやりした空気が
さっきまでの登坂で火照った体をクールダウンしてくれる。
新潟に着いたんだ。
そんな鑑賞に浸りながら
六日町から十日町に続く
『八荷峠』に入りました。
あれ!?
おかしくない!?
なにこの急な坂道!
国道のくせに
つぎはぎだらけのアスファルト!
日よけのない草だらけの前半!
スノージェットに入ってからの風の抜けない、
そんでもっていつまでも続くカーブの連続!
あれ!?またカーブ?
泣いちゃうよ!俺泣いちゃうよ!
誰だよ!三国峠を超えるのかって聞いてきた奴!
日本にはな、まだまだ知らない、
地に足着いた経験をさせてくれる場所があるよ!
十日町の人間はなんで一言も言ってくれなかったんだ!
八荷峠なめんなよ!
それでも昼には十日町キナーレに着きました。
ゴールです!
やっほーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
リタノフ宗村
12/08/24