~こころよではいっておいで~

 

おはようございます。
ヤッホーサイクリングです。

旅の道中で
最初に印象に残った場所があります。

東松山に入るころかな、
国道の青い看板にでかでかと
『吉見百穴こちら→』と
不思議な記号とともに出ていました。

古代の神話に出てくる八岐大蛇を想像してしまって
ゾクゾクが止まらなくなってしまい、
そんなに時間の余裕がある訳ではなかったのですが
寄り道することに。

太陽はそろそろ
「今日一日も張り切ってやろうかい」と
鼻息を荒くしてきた頃で、
蝉の鳴き声がうるさくて、
小さな橋を渡ると、
川に沿うような小山にぽこぽこと穴が開いている。

百穴はフェンスと塀で囲われていて、
鎌倉の仏閣に似たような
背筋を伸ばされる気持ちになりました。

表の説明書きをみて、
なるほど、
この穴は江戸時代から文献に出ていて、
そのときは「不思議な穴」として有名だったのが、
明治になり、大学の調査の結果、
これは古代の人々の横穴式のお墓と判明したらしいです。

入場料を払って穴だらけの山を散策することに。
お墓だと思いながらそれぞれの穴を見てみると、
そこそこに小さな穴も見られる。
明らかに自分の子供サイズの穴。

きっと古代でもここには、親の愛情を受けながら、
どうしようもない大きな流れの先で、
悲しまれながらこの世と別れることになってしまった
小さな命があったんだなと、
想像してしまう。

そしてそんな神妙な場所の、
同じ場所に作られた戦争の軍需工場の跡。
命を尊んだ場所と命を軽んじた施設跡。

不思議なところでした。

そのあと茶屋で飲んだラムネのおいしさ。
茶屋のお孫さんの
もじもじした顔が息子とダブって見えて、
あらためて安全に、
自分を大切に自転車に乗ろうと
心が定まった場所でした。

手を振ってくれたケイタ君、
どうもありがとう。
お兄ちゃんはちゃんと山を越えたよ!

リタノフ宗村

12/08/17