~鈍行列車の旅 その7~

 

長岡行きの上越線に乗り込むと
ボックス席はすべてうまっていたので、
入り口近くの席に荷物を下ろして座りました。

すると、まず目に飛び込んできたのが
面白いデザインの路線図でした。

仕事がらか、地図を見るのが好きで、
かわいらしいデザインもよかったのですが、
何よりも、地図の中心になっているのが、
今回の目的地の「東三条」駅だったことが
その路線図を一気に身近なものに感じさせました。

暫く立ち上がって路線図に見入っていると、
子供の声が聞こえてきました。

ちょうどPちゃんくらいの歳の女の子。
お父さんと二人でボックス席に座っていました。

車内を見渡すと、今度はローカルなお客さんばかり。
中高生のような学生やおばあちゃん、
隣町への移動に使っているような人がほとんどでした。

中には先ほどのギャル4人組のような観光のような人もいましたが、
湯沢を過ぎたあたりで、懐かしい方言が飛び交うようになりました。

水上からは、お酒も入ったので、ほろ酔い気分で再び追憶にふけます。
雪が解けてハゲ山状態のスキー場が多い石内・塩沢を通過するあたりで、
スキーが上手だったおばあちゃんとの思い出に浸ります。

窓の外を眺めていると、
徐々に雪は姿を消して、緑の田んぼが一面に広がるようになってきました。

山古志村を通り過ぎるあたりで、
中越地震も思い出しました。

地震発生後すぐにかけつけた時の
避難所でのおあばちゃんの不安そうな顔が忘れられません。

思えばいろんなことがあったなぁ。
けど、僕はおばあちゃんを嫌と思ったことは
おそらく、殆どないはず。
振り返るほど、おばあちゃん子であったことは
確かになってきました。

そう思えただけでも良しとしよう。
大好きな人へ、今まで以上に寄り添っていたい。
そう、もうすぐ大好きな子供たちに会えるんです。

小千谷も通過して、もうすぐ最後の乗り換え駅の長岡。
そろそろこの旅も終わりを迎えようとしています。

最後に何を考えようかなぁ。
何をしようかなぁ。

(時間は続きます)

12/05/07