〜鈍行列車の旅 その3〜

 

上野から高崎まで約2時間。
気づけばウトウトと居眠りをしていました。

窓から差し込む夏を思い出すような光で目を覚ますと
今日は休日のハズでは、、
そう思うほど、多くの学生に囲まれていました。

そういえば、自分も学生の頃のGWは部活だったなぁ。
っと夢なのか、現実なのか
眠い目を擦りながら窓の外を見ます。

まだ8時にならない時間ですが
朝日はすっかり高い位置にあるように思えるほど
行楽日和。

高崎線には降りては乗ってと、
絶えず車内には人が溢れていました。

高崎に到着すると一気にローカルなムード。
っというのも、高崎駅には昔懐かしい列車が
多く出入りするのです。

何年か前に鈍行列車で帰省した際には
有名な特急列車のお別れ式のようなものをやっていて
すごい賑わっていたのを思い出しました。

子供は列車が好きなものです。
大人になっても好きな人はいます。
僕もけっこうその一人。
そこまでマニアではないですが
列車に乗って旅をするのは好きな方です。

なので高崎駅の雰囲気は好きで、
ここから水上へ向かう上越線に乗り込む時は
いつもワクワクします。

せっかくなのでボックスタイプの座席に乗りたいと思い、
4人掛けのボックス席に一人腰をおろします。

すると次から次へと登山客でしょう、
おそらく尾瀬にでも行くのでしょうか。
大きなリュックに首にはタオル、ハットにブーツという出立ちの
人たちが列車の中を埋め尽くしました。

僕のとなりのボックスには5人組の登山客が。
なので一人が僕の隣に腰をおろしました。
さらに、小学生くらいの娘と母の親子が
僕らの向かいに腰掛け、列車は出発しました。

つけていたイヤホンをはずした僕は
自分を見つめ直す時間から
ちょっとした旅気分になり、
列車は都会の風景から離れ、
どんどんと田舎風景を突き進みます。

(時間は続きます)

12/05/01