自分満足度

「もうちょっとよくなると思うんだよ、俺はね」亡くなられる直前のインタビューで語られた蜷川幸雄さんの言葉です。誰も見たことのない境地を求めて、どこまでもストイックに自分と向き合う姿が、インタビューから伝わってきました。誰も見たことのないわけですから、そこに顧客満足度なんてものはなく、感動させたいっていう「自分満足度」的なものを感じました。自己満かよって声が聞こえてきそうですが、自分が満足しない食べ物を大切な人に食べさせるなんて失礼ですもんね。まずは、自己満足ありき、だと思うんです。これは、ここ数年で(糸井重里さんはもっと昔からやっていたけど)広告業界でも感じる変化です。大衆操作的なキャッチよりも、私的なブログの方が炎上・拡散される。ただ、そのフィールドは好きなことの中だけにあるとは限らなくて、むしろ自分が苦手と思う中に「正直」が隠れていたりするものだよなぁ、と僕は思います。
今日も来てくれてありがとうございます。だれも頷かない自己満足はダメだけど、ひとりでも頷いてくれるなら、続けた方がいいと思う。ここが続けていられるのは、たまに小さく頷いてくれるあなた様がいるからです。

16/05/31