~四目 本番のスイッチ~

 

毎朝、僕は4時頃起床します。
トイレに行って、布団に潜り、
今日何をするか復習し、
元気があれば家事をやり、
元気がなければTVとかビデオとか見て
日の出を迎えます。
いつもそう。

そして今はなんと言っても
編み物に手をかけますが、
目がぼんやりしすぎていて
全く使い物になりません。
先日家族で行ったハーブ園で
100%の、目にめっちゃ効く
ブルーベリーのジュースを飲んでも
使い物になりません。

そこでハウツー本を飛ばし読みではなく、
ひとこまひとこましっかりと熟読することにしました。
そして目が冴えてきたので、
ゴミみたいになった練習用の糸は捨て、
買ってきた糸で本番をすることにしました。

なんということでしょう。
糸の縫い目が数えられます。
3段目のかぎ針を拾うポイントもわかります。
いままで3段で挫折していたのが
4段、5段と続けられます。

ほらほら見て見て!

夜、妻に見せたら
すなおに驚いてくれました。
あんなに僕をボロクソに言っていた妻が。
友人知人に
「急に編み物始めたんだけど全然ダメ、才能無い」と
言っていた妻が。

写真を始めたとき、
やっぱり最初に絞りとシャッタースピードで挫折し、
それでもめげずに(楽しいから)カメラを触っていたらある日、
急にひらめいたあの感覚が蘇ります。

体と頭が両方、
びゃーーんて歯車が噛み合う瞬間でした。
面白い。

才能って言うのは
へたれでもずっと続けられるかどうかの
一点のみ使える言葉なんだよ。
ふんふふーん。

そんな訳で7段、8段越えた辺りでした。
奥の納戸でごそごそなにかやっていた息子が
駆け寄ってきて言いました。
「いいものみつけたよー」
なんだ、こっちは編み物に集中してんだよ、
あっちへ行って、、ん、なんだそれ?
「いいものだって!これ使いなー」

どうやら昔、妻が使っていたかぎ針のようです。
手芸センターで高くて手を出すのをあきらめた
かぎ針と良く似てる。

てか、これじゃん!

使ってみると、、、全然違う。
全然手が痛くない。全然手首の返しが楽。
そんでもって僕が購入したのは6/0サイズで
ちっと太くてかぎを抜く時とか少しめんどいなー
と思っていたのですが、
これは5/0。
ぴったりサイズ。すごいスムーズ。

持ってきてくれたのは息子ですが、
妻がなんて気もなく探してくれたんですね。
どうもありがとう。
そして確実にスピードアップ。
ひょいひょいひょいひょい。

その夜、ずいぶん長くなったネクタイ(のつもり)の
編み上がりをのばしてみました。
おかしい。サイドのラインががたがた。
しかも途中から今度は明らかに太くなっている。
目の数が増えている。

どういうこっちゃ。

寝ようとしていた妻に助言を求めます。
「ねぇなんでなんで」

「ちゃんと数数えてんの?」

「・・・・・・・・・・・」

[ヤッホーサイクリング 宗村] 

(続きます)

13/04/09