~都市型サイクリング その二~

 

フレンド商会をあとにした頃には
お天道様は一番高い位置へ。

阿佐ヶ谷から新宿方面へ向かう青梅街道には
関町のような緑の屋根もないので、
さすがに暑くなってきました。

高層ビルが影を作ったりもしますが、
それだと気分的にも涼しくならない。

交通量が多くなる環七通りも越えて、
中野の鍋屋横丁を通過しようとすると
お祭りの音が聞こえてきました。

鍋屋横丁では、
通行止めをして御神輿が練り歩いていました。

先ほどの心理と矛盾するようですが、
暑いときに熱いお祭りを見ると、
不思議と暑さが気になりません。

水を飲みながら御神輿に合わせて
珍しそうについてくる外人と一緒に
「ワッショイ」なんかいって、
再び自転車を走らせます。

中野坂上の交差点から
今度は山手通りに乗り換えます。

これがまた暑い。。
交通量もあるし、日陰もないので
足早に表参道へ向かいます。

井の頭通りとぶつかったところで
あまりの暑さにあることを思いつきました。

少し涼んで休もうと思い、
仕事のお昼休みによく行く代官山の蔦屋書店に向かうことに。

ここからは通勤ルート。
慣れた足さばきで代官山までひとっ飛び。

蔦屋書店につくと、さすが休日。
人が多い。

車が道を暑くするように
人がお店を暑くしているようでした。

あまり休めないので外へ出ると
となりの建物でなにやら小さな陶器市が。

ん?
どこかで見たことのある陶器と思い覗いてみると
益子焼の陶器市でした。

まさかと思いテントを歩いてみると
友人のお姉さんと、妹さんの旦那さんが出店していました。

友人もさっきまでいたということで
妹さんと話がはずみました。

妹さんの旦那さんは佐々木さんという作家さんで、
新潟の三条で桑原商店というお店で
陶器が取り扱われていました。
今は桑原商店は長野の方に移ったそうです。

長岡花火の話やら、
吉祥寺から自転車で来た話などいろいろしていたら、
それまでタオルで拭いていた汗もとまり、
心地よい風がテントの中を吹き抜けていきました。

その度に
「あー気持ちいい!」
「あーいい風だ!」
とか言いながら喋っていました。

偶然の出会いにも別れを告げ、
先ほどよりもさらに背筋を伸ばして自転車にまたがり
お洒落な街、代官山をプジョーで走るのでした。

(都市型サイクリングは続きます)

12/08/07