不協和音

都合が悪い、都合がいい、を
意識するきっかけになったのが、
音楽だったのかもしれません。

ピアノで ド ミ ソ を
白鍵だけで同時に押すと
Cメジャーコードの音で
とても心地よい和音になります。

3度の音、真ん中の「ミ」を
半音下げて黒鍵にして同時に押すと
Cマイナーコードになり
なんだか悲しい和音になります。

今度は白鍵で ド と シ
白鍵で ド と レ
を交互に押すと、二つの音は
なんだか不安定な音に聞こえます。

これを不協和音と呼びます。

もしもメジャーコードの曲や
マイナーコードの曲の中で
この二つの不協和音が登場したら
ちょっとびっくりするかもしれません。

けれど、使い方によっては、
効果的になる音にもなります。

マイナーコードのAメロから
サビの手前で一瞬不安定な印象を与えて
一気に明るいメジャーコードに展開したり、
不協和音が差し込まれることで
楽曲に奥行きが出て
豊かな曲の印象になります。

あと、2音だけだと不安定な音ですが、
これに白鍵の ミ と ソ を加えると
ジャジーな響きになります。
不安定だと思った音は実は、
ドをルートにしたときの7度の「シ」と
9度にあたる「レ」になるので、
使い方によって、深みのある音になるのです。

つまり、都合の悪い音も
編集(アレンジ)によって
都合よく解釈することができることを
音楽理論から学びました。

理論を勉強したのは、
子供が生まれてからですが、
僕は20代のころ
フリーセッションをよくやっていたので、
都合の悪い音、よい音にすごく敏感でした。

上手な人とやればやるほど、
うまく対応してくれる、
音が転がっていく、
その展開がすごく好きでした。

部分的にみたら都合の悪い音でも
一曲の中で、一演目の中で、みると
結果都合の良い音になる。

その感覚が大好きで
「音の行方」という名前で
セッションした音源をまとめて
CDにして配っていました。

気づけば、都合の悪い音で構成される
音楽はジャズと呼ばれたりする
カテゴリが存在することを知り、
音楽の世界の寛容性というか、
多様性を音楽を通して学びました。

都合が悪いところだけを
取り上げてしまったら
うまくないかもしれないけれど、
都合が悪いからこそ深みのある
クリエイティブができることを
みんなが知っていれば、
寛容の心があれば、
揚げ足取りとかもなくなるのかもなと
少し思うことはあります。

そのためにもまず、
自分で音を出してみて
音楽やってみると楽しいと思います。

学校の音楽の授業とかでも
もう少し踏み込んでみたら
音楽から学べることたくさんあるのになと
思います。

今日も来てくれてありがとうございます。今日はジャズを聴きながら通勤しようと思います。

21/07/29