~独立国家のつくりかた~

 

「ロックンロールを習ってどうするよ?」
よく音楽仲間で集まったときに
どうやって音楽を学んだかの話をします。

ほぼ大半の人が「独学」と答えます。

僕もそうです。
はじめて4chのMTR(マルチトラックレコーディング)を使って
録音するとき、それは本当に
手探りで録音していくんです。

あとになってそれが間違いだったこを知ります。
間違いと言われても僕はその独自な方法で
12曲のフルアルバム(カセットテープ)を作ってしまいました。

この作業をひととおりしたときに、
僕はインディペンデントな気持ちを手にすることができました。

高校を卒業して一人暮らしをはじめて、
はじめて一人で何かをやり遂げた瞬間です。

これは今の僕を作り上げた基盤となって
大きな勘違いの始まりでした。

誰にも教わることなく、自分なりのやり方で
自分の世界を形にすることができたということは
ひとりのアーティストをつくるには
十分な条件だったと思います。

今みたいにインターネット上で探せば
目的を叶えるための方法は見つけることができます。

だれでもリスクが少なく
アーティストになれる時代だと
いえると思います。

僕みたいに間違いのまま突っ走ることもなく、
いくつかの方法から選ぶことができる。
ダメといわれても逃れる方法もある。

実践している人たちがいるんです。

おはよう学級でもよく、
角度を変えてものごとを見ることを言っていますけど、
実はそれは何も新しい角度をみつけるんじゃなくて、
すでにある角度をなぞっているだけなんです。

その角度に気付くかどうか。
その角度から見えたものを実践してみてどうか。

家を建てることと向き合ったときに
どんな選択肢があるのか。
そもそも家を建てるとはどういうことか。

図書館で家について探しているうちに
一人の建築家に出会いました。

坂口恭平
「独立国家のつくりかた」

パーマカルチャーのつながりでこの方の存在は知っていましたし、
興味はあったのですが、
僕が急接近できたのは家、家族と向き合ったことからでした。

この本にはいくつかユニークな言葉が出てきます。
「態度経済」「レイヤー」「借金思考」「学校社会と放課後社会」など。

今回の心躍るヒット賞は僕のもやっとしていたことをクリアにしてくれる言葉でした。

   やりたいことを無視して、自分がやらないと誰がやる、
   ということをやらなければいけない。
   しかも、それは実はすべての人が持っている。
   自分の得意なこと、やりたいこととかはどうでもいい、ただ考えている。
   それを口に出す。
   だからやりたいことじゃない。自己実現ではなく、社会実現に向かっていく。
   まずそれを決める。

一家の長としていろんな見方が必要になったからでしょうか、
「自己実現ではなく、社会実現」
そのために、僕たちは独立した小さな国家を
各家庭でつくっていかなくてはいけないな
っと思うのでした。

いや~本って、ホントっ出会いですね~。

(続きます)

14/08/10