~日々の考え~

 

「芸術と恋は一緒」
今年一発目の二日酔いになった飲みの席で
呂律がまわらなくなるまで
友人と大論争になった話題です。

「芸術」って言葉はあまり好きではないですが、
一応美術部でしたし、
音楽も好きでしたし、
小さい頃から絵と触れ合う環境にいたので、
意識せざるを得ない言葉でした。

そんな僕なりの芸術に対するイメージが
恋と似ているなぁって
ある頃からずっと思うようになりました。

まぁ、いつものように抽象的な例えなのですが、
形として見えるものよりも
形として見えない部分が好きということです。

作品から
どういう背景だったのかなぁ
と想像することから考え出すと、
なんだか作品のことなんかよりも
それを生み出すときの気持ちや、
それまでに吐き出してきた排出物の方に
興味を持つようになったんです。

この辺はオルタナティブロックにはまっていた頃に
影響を受けたのかも。

わかりやすくいうと
アンダーグラウンドな世界がいい!
みたいになったんです。

それがどうして恋と似た印象かっていうと、
付き合う、付き合わないっていう形よりも、
だれかを好きである、好きでないっていう気持ちの方が、
形にならないものの方が好き
というところがリンクしていると思ったんです。

芸術も恋も
発信者が100出したとしたら、
受け手が100で受けとめることができたら、
それは素晴らしいことじゃないかと思う。

だからそれ以上のものとかには興味がなくて
どれだけの人の心を動かしたとか、
歌がうまい、絵がうまい、とか。

そういった目線を持って
図書館に行くと
やっぱりこういったジャンルのタイトルを
手にとってしまうんです。

日々の考え
よしもとばなな

よしもとばななさんが妊娠なされている頃の
エッセイになるのですが、
ご本人も本の中でいっていますが、
「こんなときでも文章を書くのです」というところに目が留まり
本としてはあまり評価されていないかもしれない
この本を読んでみることになりました。

心躍るヒット賞は
「ある冬の日、井出くんと私」の

   ドーナツを食べにいきませんか?
   お茶をしながら、ココナッツのついた
   ドーナツを食べるのがすきなんです
   コーヒーをたくさんおかわりしてね。
   これは前の奥さんに教わった
   素敵なことのひとつですね。

という井出くんの言葉から
よしもとばななさんが
感じたところ、

「ドーナツの話を聞いているだけで、
作品と同じ力を感じる。」

でした。

続けて
「エッセイの文章では表現できない」
「風景が新鮮になる」
という、よしもとばななさんの言葉に、
ズキュンとなりました。

作品から話を語りだすのではなくて、
毎日の中から作品の話をするのはおもしろい。

この本を読んで、
苦手な小説を読んでみようかなぁって
思うようになりました。

世界観っていうのも大切だよなぁ。

いやぁ、
いや~本って、ホントっ出会いですね~。

(続きます)

13/01/12