僕の周りには仕事柄、
文章書きを仕事にしている人が何人かいる。
そういう人たちはあまり外交的ではないけれど、
どっちつかずなこんな僕とお話をしてくれる。
そういうときはよくプライベートで会う。
大勢の中ではなかなか話すことがむつかしい。
それはシャイということよりも、
話の内容や言葉のレイヤーが
大勢の前で話しづらいことだからだと思っている。
彼らの話はいちいち面白い。
そして彼らの書く文章に感心させられる。
本を読むようになってから
真剣にそう想うようになった。
うれしいことに
彼らの中にあるおせっかいな心は
僕に開いてくれて
本を紹介してくれる。
僕がこの歳になって
本を読み始めるきっかけをつくってくれたのも
そんな友人のうちの一人だった。
最初にすすめられて読んだ本は
村上春樹さんの「風の歌を聞け」だった。
直感で生きてきた僕には
タイトルでズキュンときた。
直感でつくった「足りないから聞こえる歌」という
僕のコピーと共鳴した気がしたからだった。
一昨年前に本を紹介してくれた友人と二人で会った。
下北沢のタイ料理屋さんだった。
その頃、よしもとばななさんの本にハマっていたので、
下北でその友人と会えることが
それだけでうれしかった。
そこで友人がさらにオススメしてくれた本があった。
江國香織さんの「きらきらひかる」だった。
これが僕の読書人生でまた大きな歴史にのこる本でした。
実はこのコーナーで紹介するために
何度も書いては修正して、結局お蔵入りになってしまったのですが、
江國香織さんという作家さんとは
シナプスでつながった感があります。
音楽のジャンルで例えるとdeep houseかな。
ものごとの見方や
繊細な表現、
なんといっても
うつくしい言葉だなぁって感じました。
以来、江國香織さんの本を
図書館へ行っては読み漁りました。
その途中で出会った
「いくつもの週末」というタイトル。
ジャケ買い感覚で
僕はその本を手にして
図書館をあとにしました。
読み始めたらあっという間に終わってしまった。
家の外のことでみれば
僕は週末が休みだけど、
嫁ハンは週末が仕事。
家の中になると
嫁ハンは週末が休みで
僕は週末が仕事。
そんな関係の今の我が家に
ぴったりな本でした。
心躍るヒット賞は「月曜日」についての表現、
会社というのは一体どんなとこなのだろうとときどき不思議に思う。
一人の、大の男の人を、
それも、元来規則正しいとはとても思えない性質の人をこうまで律し、
しかもそれを当然のように思わせていまう場所。
でした。
人間らしい姿が月曜日に見られない、
そんな風に思われてしまうのは嫌ですね。
はたらくこと、遊ぶこと
そのON、OFFのために週末があるという人は
注意が必要かもしれません。
いろんな週末がある分、
いろんな平日があっていいと思う。
毎日をもっと楽しもう。
あらためてそう思えたのでした。
いや~本って、ホントっ出会いですね~。
(続きます)
14/06/22