~態度経済 その2~

 

会場はいつの間にかキャパオーバー。

トークライブは
まるで僕が昔やっていたイベントと同じように
メリハリなくはじまりました。

いきなり自分の世界感にひきずり込んでしまうあたりは
中央線沿線でよくみたアーティストのようでした。

なので、すごく親近感がわきました。
きっと会場のみんなもそう思っていたでしょう。

「特別じゃない」
僕は生意気なようですが、
お客という立場で参加しながらも
その現場をいっしょにクリエイトする出演者とお客なんだと、
そんな態度で僕はイベントに参加しています。

どんなにすごいと言われる人も
すごくない。
神様でもなんでもない。
似たような喜びや悩みをもつ生身の人間が
そこで対峙しているだけだと、
今でもそう思っています。
(そりゃ超絶テクをみせられたらスゴイといいますけど)

僕と似たような考えの人は会場にけっこういて、
「ガハハハ」と共感して大声で笑う人もいたり、
坂口さんがトーク中に落としたペンを
まるでスタッフさんかのように拾って渡してあげている人もいました。

っと、終始、僕の態度とエライ合うなと感じながら、
トークを聞いていました。

トークはフニャっとしたまま終わり、
今度はギターを持って演奏を始めました。

生で聞く坂口恭平さんの歌声は
これもやっぱり懐かしく、
荻窪のボクシングリーカフェに集まってくる
フーテンの人たちと似た
何故だか危なく聞こえてしまう
呪文のような歌でした。
(興奮するほど素晴らしかったですけど)

本人もトーク中に仰っていたけど
「そのまんま」なんです。

目の前のことをそのままアウトプットしているだけなんですけど、
奇妙に聞こえてしまうんです。

あのTVで流れているような
どう聞いてもそのまんまに聞こえない歌とは
あきらかに違うんです。

違うことを攻撃するわけでないんですけど、
攻撃しているように聞こえてしまうのは
なんでだろう。

どちらかというと坂口さんの世界感は
僕のまわりでおこっている
いわゆる「ゆるい」世界では「わかる」んです。

でも、残念ながらわからない人が多い。
そこで坂口さんが選んだ手段が
小説という世界でした。

現実のことを小説化することで
態度経済が
成立するんですって。

おもしろい!

態度って相手の伝える手段で
全然変わってくるんだって思いました。

態度でわかりあえないのであれば
伝え方を変えればいいんだ。

僕はこのとき、
何故だか、みうらじゅんさんを思い出しました。

   面接で緊張しないようにするために
   一本だけヒゲを剃り忘れてみる
   そうすると別の緊張で頭がいっぱいになる

このとき坂口恭平さんとみうらじゅんさんが
僕の中でリンクしてうれしくなりました。

(続きます)

14/08/12