~てくてく青山散歩 その3~

 

青山墓地だ。
懐かしい。

橋の向こうには青山公園がある。
20代の頃、大物外国人アーティストを招いて
ゲリラ野外イベントを主催したことを思い出した。

あのときと目の前に広がる景色は
まったく違うものに見える。

橋の下を通る外苑西通りに乗り換えるために
階段で下に降りる。

蝉の鳴き声が聞こえるのに
暑さはそんなに感じない。

それでも外苑西通りは車もよく通るし、
青山通りに近づくに連れオシャレなお店が増えてくる。

そこで一本裏道へ入ってみた。

するとこれまたまったく違う景色がそこに広がっていた。
静かな住宅地に心地よい風がふく。

風鈴の音とともに自転車の車輪が回る音まで聞こえる。

ブレーキをかけた音の方に目を向けると
猫ちゃんがいるではないか。

飼い猫なのか野良猫なのか、
自転車から降りた家の住人に
「猫ちゃんだ!撮っていいですか?」
と聞くと、にこっと微笑んで
「どうぞどうぞ」と仰っていただきました。

あれ、僕、猫好きになったのかな、、?

もう少し先に行ってみると、
このあたりは階段が多いことに気付く。

小さなギャラリーも見つけた。
すぐそこに青山通りがあるのに、
このあたりは本当に静かなので
絶好のギャラリースペースだなと思った。

裏道なのでレストランのシェフさんたちがランチ後の休憩で
サンシェードの下に椅子を出してコーヒーを飲みながら何か喋っていた。
すると「こんにちは」と
僕に挨拶してきてくれたではないか。

「こんにちは」

なんて気持ちよく挨拶を返せたんだろうと思うほど
素敵な挨拶を交わすことができた。

青山通りへ出たところで
一気に気温が上がったように思えた。

さっきまでこの道の裏でみていた世界とは
まったく違う。

紙一重なこの環境を
僕はとても気に入った。

暑い、暑い、というのも魔法のようなもので、
角度を変えてみることで暑さを感じない方法もある。
僕は一人暮らしの間冷房をほとんど使っていない。

こんかいのてくてく青山散歩は
僕の青山のイメージをまったく違うものにしてくれた。
ほぼ日がTOBICHI周辺のガイドマップを作るそうなんだけど、
楽しみだなぁ。

僕は老後に自分の訪れた場所の
自分の地図をつくりたいと思っているので
散歩した場所はこうして記録していこうと思う。

みなさんもぜひ、
視点をかえて、てくてく散歩してみましょう。

(遊びは続きます)

14/08/09