パーティーを続けよう

昨晩の記憶もない。気づいたら財布から4万円なくなっていた。またやってしまった。私は小さなパーティーを企画するイベントのオーガナイザーをやっている。イベント間ずっと音楽が流れ、そこへ身内を中心に50人くらいが集まり、二ヶ月に一夜だけの楽しい時間を共有している。ここまで聞くと健全なのだけれど、ここから先が問題になっている。ひとつは、これが仕事ではなく趣味だということ。場所代を超える人数がたくさん集まったときは多少お店側からバッグをいただけることがある。けれど、予定外の収入は演者へのギャラの足しにしている。演者は仲間うちが多いのでギャラといってもドリンク代くらいしか出せていない。場所代を埋めるほどのお客さんが入ることも多くなく、本来なら不足分を支払わなくてはいけないところ、お店との付き合いで不足分はチャラにしてもらっている。が、昨晩酔っぱらってみんなにお酒をふるまったように、ほとんど身を削って運営しているのが現状だ。これが20代ならわかるが、私は今年40歳になる。そしてもう一つの問題は、私には妻子がいることだ。なんと子供は今年中学生になる。お金が必要だ。最初はイベントのお客さんで、ときに一緒に運営する側だった妻も、今ではクレーマーだ。子供が生まれてすぐのころは「いってらっしゃい」と送り出されたものだが、今は頭を下げて家を出てきている。

イベントを続けるためには、新しいお客さんを入れていかなくてはいけない。自分と同じように結婚して子供が生まれた仲間たちはイベントに足を運ばなくなり、お客さんは減ってしまう。新規のお客さんを入れるために、営業と呼ばれる活動も必要になる。ようは他の音楽イベントに足を運んで自分のイベントにも来てもらうようにする営業活動のことだ。これがまたお金がかかる。けれど、営業は名目で、根底にあるのは、音楽が好きだからゆえの新しい音楽に触れたいというピュアな気持ちだ。文句は言うけれど絶対に反対しない妻は、そんな私の音楽への愛情を知っていると痛感している。とても感謝している。なので、営業のやり方もいろいろ考えた。インターネットで募集したり、コンテンツを充実させるために、他では味わうことのできない音楽、空間をつくることを考えたり。

そんなことを続けてきたら、イベントもなんと今年20年目を迎えることになる。久しぶりの仲間が集まる。このコミュニティからいろんなつながりが生まれたものだ。そんなみんなが久しぶりに集まれば、諦めていたものが可能になるかもしれない。私たちは大人になりできることが増えた。「持続可能な社会」なんて大義を言うわりにみんな気ままだ。気ままで多様でいいと思う。そうでないとパーティーはつまらない。けど、その多様性を感じることができるのは、パーティーがあってこそだと20年目の開催を目前に思う。パーティーを続けることができたのは、みんながいたからだ。一緒に運営をしている仲間と、なんだかんだで支えてくれている妻に感謝して、今日もほどほどにお酒を飲む。

(おしまい)

今日も来てくれてありがとうございます。結局去年一度も音楽イベントに遊びに行ってないので、今年は遊びに行こうと思います。パーティーを続けているみなさんマッチリスペクトです。

19/01/02