~理解という名の愛がほしい~

 

「ごはんは冷めないうちに食べなさい」
「待ち合わせには相手より早く行きなさい」
「返事は間髪いれずに出しなさい」

スピードスピードと
この星の生物はとにかく急いでいる。

缶コーヒーのCM風に言ってみたけれど、
僕たちは急いでいます。
時間にルーズな僕ですら、
「そろそろ…」という
リミットを意識した思考が働きます。

優先順位をつけていくと
どうしても後回しになってしまって
遅くなってしまうことがよくあります。

それは毎日向き合っているものから
こんなにも距離感を感じるものだったんだと
自分でもびっくりすることがあります。

そんなときよく嫁ハンに注意されます。

嫁ハンは「返す」ことが
上手な人だからです。

時間というよりはケジメの問題。
むしろ時間がかかってもいい。

嫁ハンの「返す」を見ているうちに
スピードという概念はなくなりました。
といっても時間にルーズなのはよくない。

なぜこんなことで悩んでいるかというと
僕にはお礼をしたい人がたくさんいるのです。

ただ、その人たちときちんと向き合っていたら
一生が何個あっても足りないくらい。

そんな僕の心にズキュンときた本に出会いました。

「理解という名の愛がほしい」
山田ズーニー

ほぼ日の人気連載コラム
「おとなの小論文教室」で
多くの読者と向き合う
山田ズーニーさんの心模様を中心に
書かれた本だと思います。

その中で一番ズキュンときたのが
「おわびの時間」。

心躍るヒット賞はちょっと長いですがこれ↓

   たしかに、傷つけてしまったこと、
   そのこと自体は、償いようがない。
   時は二度と元には戻れない。
   でも、相手に与えてしまったダメージと等価の、
   うれしい気持ち、うれしい時間は、提供することができるのだと思う。
   それには、「遅すぎる」ということはない。
   むしろ、それだけの時間、
   相手を想ったことの証になる。

   相手のモチベーションを下げたなら、
   上がるような時間を、
   相手の気持ちを冷やしたなら、
   温かくなるような記憶を。

   それを提供するのが、おわびの時間だ。

温かくなるような記憶を作っていきたい、
僕は今そう思っています。
そのためには、「言葉」というのが
どれだけ大切な役割を果たすか、
日々勉強です。

僕は長ーいおわびの時間の中にいます。

そう考えると全部がかけがえのないことのように
思えてくるんです。

いや~本って、ホントっ出会いですね~。

(続きます)

13/02/04