「経験則」と「直感」と「民藝」

3.11以降、「経験則」という言葉がいろんなところで使われるようになりました。それはお仕事の場でも使われるようになったのですが、「経験則」と「直感」の違いについて、ずっとモヤモヤしたままでした。そんなときに僕の心に飛び込んできたのが中沢新一さんの「3.11以降の日本において、民藝というのはひとつの灯台になるんじゃないかと思っています。」という、コピーでした。その興奮さめやらぬうちに、柳宗悦さんの「民藝とは何か」を読み始めました。これがもう、面白くて。まだ半分も読んでいませんが、前記した違いについてちょっぴり、自分なりの答えが出たように思えたのでメモしておきます。
  経験則は問答の数から生まれる、に対して、
  直感は経験則を考慮しない感覚。下手すると、ただの「カン」になってしまう。
  経験則から導かれる「カン」は、あまり大はずれということはない。
そして民藝は経験則に似てるように感じました。そして、今の時代、民藝が灯台になるというコピーは、とても頷けるものなのじゃないかと思いました。「わからないもの」よりも「わかる」方へ。そう言ってしまうと、民藝に失礼な気がしますが、今の時代にフィットした考え方だと思います。ただ、わかる中にもわからないものがあります。それは例えば、子供に対してはとくにそれを感じるし、夫婦の関係だったり。暮らしという美の追求をしていくためには「わからない」を避けちゃダメ、ゼッタイ。これは直感でなくて、経験則からそう言っています。
今日も来てくれてありがとうございます。吉本隆明さんも似たようなことを言っていたような気がするので、今の本を読み終えたら、もう一度読んでみようっと。

16/01/13